中学生の全思考

中学生アキラ♂の考えてること、全部。

続編・新聞力、コラムを活用する

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疑問を掻き出せ、考え尽くせ。

 

前回の実践編として、今回は日本経済新聞のコラムを要約する練習を実際にやってみる。

 

京都の二条城へ行くと、大政奉還の「現場」を見ることができる。ちょうど150年前の秋、最後の将軍・徳川慶喜倒幕派の機先を制して政権を朝廷に返す決心をした。諸藩の重臣が集まり、上座慶喜と向き合ったという二の丸大広間は二条城の見物のハイライトだ。

誰もが頭に描くのは、苦渋の将軍を前に大勢の重臣が表伏しているシーンだろう。映画にもよく出てくるが、元は教科書にも乗っていた邨田凡陵の日本画大政奉還図」だ。あれは大広間ではなく、黒書院で慶喜が側近に糸を伝えた場面らしい。しかし雰囲気のある絵だから大政奉還のイメージとして定着していった。

事実は色々と異なるという。仏教大の青山忠正教授が調べた越後新発田藩の家臣による記録では、大広間に重臣が集められたが出てきたのは幕府の老中だった。上表文の素案など書付3通への意見を問い、そのあとに六人の重臣だけが居残って将軍に面会したようだ。大勢の前での慶喜の重大発表はなかったことになる。

案外事務的に歴史は動いたわけだが、これを機に倒幕派王政復古のクーデターを敢行し、戊辰戦争が始まる。150年前の今頃はとにかく大変だったのである。そういえば政局二転三転、当節の話と比べたくなるがスケールが違うからやめておこう。秋深まる二条城を訪れ、誰それの顔など思い浮かべたくもなし。(日本経済新聞10月16日朝刊一面、春秋より)

大政奉還のイメージと実際の様子が食い違っていることを持ち上げ、最後に衆院選の話題を出すことで、選挙が劇場化していることを匂わせている。戊辰戦争の節は、劇場化した選挙のその後を映し出しているのかもしれない。

ロードサービスなどでお世話になる日本自動車連盟JAF)の会員向け冊子に「事故ファイル」と題する連載がある。見開き2ページで、様々な類型のアクシデントを取り上げ、捜査に当たった警官らが再発防止策を語るものだ。回数はすでに180回を超えた。

帰宅途中で人をはねた例、チャイルドシートの不完全な装着で幼い命が奪われたケース。わずかな油断で、誰の身にも起きそうである。雑誌上での追体験は日々の運転での安全確保に大いに役立つ。しかし、東名高速であった逆うらみから来る執拗な進路妨害のような事案は流石の「ファイル」も想定外ではなかったか。

パーキングエリアでの注意に腹を立てた行為は、結果として追突を誘発し夫婦が死亡した。容疑者の男は、以前にも一般道で車を急減速させたり、わざとゆっくりしたスピードで走ったりして、追い抜こうとした車への嫌がらせ行為を続けていたらしい。まるで、路上に悪意の詰まった落とし穴を掘ったようなものである。

「自動運転なら大丈夫では」。そう願いたいところだが、より怖いハッキングの懸念があると聞く。見知らぬ相手からのサイバー攻撃で乗っ取られてしまうのだ、どんな立派な技術でも使う側の歪んだ達成感を満足させる道具になって、他者に害をなし得る。例を集めた「心のファイル」は相当な大部になりそうだ。(日本経済新聞10月17日朝刊一面、春秋より)

JAFの会員向け冊子の「事故ファイル」を導入材料に、東名高速での交通事故について述べている。他人を陥れようとする悪意によって起こる事故がこれからも起こるであろうことを懸念している。

 

実践を通して

 こんな感じで、日本経済新聞の春秋を要約してみた。終わってから思うのは、完璧な要約はできるはずがなく、むしろ誤った表現も含まれているかもしれないということだ。

 しかし、とりあえずやってみる。そうすれば要約する力はついていくだろう。個人的には著者の意図を推測する作業が非常に役にたつだろうと思った。これからも続けていきたい。

 

では、さようなら〜